我が心のオスカル

一介の馬丁に過ぎないアンドレは、幼馴染みとは言えマリ−・アントワネットとフェルゼンを思い患う、オスカルに寂しさを募ていた。

幼い兄妹のような友情…。
それは、今は何処へ行ってしまったのだろう…

アンドレには、オスカルが遠い存在になってしまったように感じていた。

一方、毎日の儀式的な宮廷生活にうんざりしていたマリ−・アントワネットは、デュ・バリー夫人が乗馬を楽しんでいるのを見て、『私も馬に乗りたい』と言い出した。

しかし、マリ−・アントワネットを乗せた馬が暴走して、間一髪でオスカルが救出する。



しかし、アントワネットに怪我をさせたアンドレは逮捕されて、国王ルイ15世の命令で死刑宣告が下った。

そこへ、マリ−・アントワネットを助ける際に、自らも負傷したオスカルが飛び込んで来た。

「もしも、どうしてもアンドレをお咎めになるならば、ジャルジェ家の名において、正式の裁判を要求いたします!
さもなくば、アンドレの責任は、主人である、わたくしの責任…。

まず此処で、このオスカル・フランソワの命を絶ってからにして下さい!」

フェルゼンもオスカルの隣に座り込んで、国王に直訴した。

「どうしてもと、おっしゃるのなら、私めの命もどうか!」

オスカルは、隣にいるフェルゼンの行動に感銘を受ける。

そして、マリ−・アントワネットも泣きながら、国王にすがって直訴した。

「悪いのは、わたくしだけで、誰も悪くはありません!
オスカル、フェルゼン、国王は寛大なお方ですから大丈夫!、ですから、お下がりなさい!」



「…アンドレ、良き友を持ったな」

可愛い孫娘に悲願された国王ルイ15世は、アンドレの死刑宣告を取り下げた。

《俺は、いつか…、お前の為に命を捨てよう…。
お前が、この俺の為に命を賭けてくれたように…。
いつか…、いつの日か、お前の為にアンドレは、この命を賭けるぞ!》

アンドレは、強く心の中で決意していた…。





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