ゴリキュア仮置き場

ゴリキュア小話
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【東のゴリキュア、呼び名が欲しい。】

 「私も何か特別な呼び名で呼ばれたいッス!!」

 少尉や軍曹が雑談や、カードゲームをして遊んでいる集いの中、可愛らしい声が響いた。
 何事かとざわめく部下達に動じず彼女は瞳を輝かせ、少尉に話しかける。

 「だって先輩達は『女神』だの『姉御』だの呼ばれていて皆と仲良さげで羨ましいんッスよぉ………」
 
 少し寂しげな声を出す彼女に少尉や周りの部下たちは戸惑いを隠せずオロオロする。何せ彼女はまだ12歳。少女の扱いなど、分かるものはあまり居ない。

 「という訳で意見が欲しい!!」
 
 場所は代わり会議室にて、少尉は声を大きく張り上げ部下に告げる。始まった会議は題して『ゴリイースト中尉に相応しい呼び名を全力で選別会議』である。ちらほらと『長い』という声が聞こえてくる。東のゴリキュア本人は少尉の隣で椅子に座りニコニコしながら様子を見ている。

 軍曹の一人が自身無さげに手を上げ発言する。
 「あの……ピクシーというのはどうでしょう……」

 「確かに可愛らしくて良いな」「とても中尉らしいな!」と賞賛の声が周りから湧く。しかし当の本人は不満げだ。

 「……バカにしてます?」
 
一瞬で周りの空気が凍りつく。中尉を落胆させてしまった部下たちは一斉に『そんな事はありません中尉!』『中尉は素晴らしいお方です!』と必死にフォローし、発言した軍曹は周りから罵声を浴びせられる。

 「妖精なんて可愛らしい名では私の威厳が……うう……もっと何か無いんですかぁ……?」
 
 落ち込む中尉に更に周囲は言葉を詰まらせる。
 数秒沈黙が続いた後にまた一人、意見を述べる。
 
 「プリンセスなんて……どうでしょうか……?」
 「却下。」

 即答する中尉。飛び交う謝罪と罵倒。眉間の皺が深くなる少尉。もはやこの会議を終わらせる事が出来ないのか……。
 誰もがそう思い始めた時、少尉の脳内に一つの光が指した。

 「プリンセス……いや、『クイーン』……どうでしょうか、『クイーン』」

 彼女の曇った顔が一気に『ぱあぁ』と明るくなる。
 
「いい!!!!とても良いです少尉!!!」

 「クイーン……」「クイーン……!!」「クイーン!!!」

 部下達も納得をしたのか、次々に声を漏らし始める。やがてそれは大合唱に繋がる。
 
「クイーン!!クイーン!!!クイーン!!!」

 少尉は安堵の笑みを浮かべ、中尉はニコニコしている。部下達も中尉の笑顔に喜びを隠せず、大合唱はしばらく続いた。


 「何これ……」
 その時その瞬間、東支部は完成と喜びに満ちた。ゴリイーストに用事があり訪問した南のゴリキュア以外は。

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